母子家庭の母就職難
母子家庭の母親の就職を支援する県母子家庭等就業・自立支援センター(山口市)への4〜10月の就職相談者数が、延べ425人と昨年同期比の約2倍に増えている。雇用情勢の悪化を受け、解雇されたり、減収となったりする家庭も多く、同センターは「極めて深刻な状況」と、求人の開拓に取り組んでいる。
県健康福祉部の調査では、2007年度の母子家庭は1万6128世帯。このうち約9割が就業しているが、平均年収は226万円にとどまり、約8割が年収300万円に満たないという。
同センターによると、今年度の就職相談人数は、4、5月は月に40人弱だったが、6月以降は60人を上回っており、7か月間で昨年度1年間の435人に迫っている。「勤務時間の短縮やリストラに遭った」「元夫から養育費が支払われなくなり、新たな仕事を探したい」といった相談が多く、実際に就職できたのは76人にとどまっている。
県中央部で子ども2人を育てる40歳代の女性は今秋、元夫がリストラに遭って月約5万円の養育費が滞ったほか、パート先の会社から週3回の勤務を2回に減らされたという。また、離婚して事務職を探している県東部の30歳代の女性は、未就学の幼児を抱え、就職活動すら満足に行えない状況だという。
同センターは4月から、県内企業に協力を呼びかける訪問活動を行っているが、10月までに求人に応じたのは、120社中27社だという。また、ホームヘルパーの資格取得の講習会を開いているほか、月に3回前後、県内各地での巡回相談にも取り組んでいる。
母子家庭の場合は残業や土日の勤務が困難といった制約もあり、採用に難色を示す雇用主も多いという。同センター相談員の津田妙子さん(49)は、「雇用する側の理解や、保育園の問題など地域、行政の協力も必要」と訴える。(読売新聞より引用)