高齢者や障害者らの日常生活を支援している「田辺市ともしび友愛ヘルプの会」(浦田和子会長)の活動が広まっている。ホームヘルパーや介護保険制度で支援しにくい家事などを手助けしており、作業件数は8年前の約7倍に増えている。


 会は1990年に発足し、和歌山県田辺市が開いたリハビリ講座の受講生や卒業生でつくった。当時は、会員同士を中心に助け合いの活動をしていた。93年9月から、市社会福祉協議会の依頼を受けて「住民参加型在宅福祉サービス」を始めた。手助けできる人「提供会員」と手助けが必要な人「利用会員」があり、会員は田辺市内に住む人が中心。在宅福祉サービスをしている提供会員の平均年齢は60代で、30人が中心になって活動している。

 活動内容は家事が中心で、ほかには庭掃除やガラスふき、入院中の洗濯、通院介助などをしている。会員ができる範囲で受け持っており旧田辺市内が中心。支援料は利用会員が、提供会員と対等の立場で気を使わずに気軽に頼めるよう、有料にしている。

 作業時間数は、2000年度は延べ733件で1370時間だったが、08年度は延べ4958件、9166時間と増えている。時間数が増える一方で、パートや自営業などをしながら活動している提供会員もおり、十分な人手が足りていないことが課題。会は支援の幅を広げられるよう、新規の提供会員を呼び掛けている。

 個人対象の助け合い活動のほか、会は福祉施設でのおむつたたみや掃除などもしている。支援に役立つように月1回、介護方法や薬、防災などについての勉強会も開いている。

 鈴木明子副会長(68)は「待ってくれている人がおり、来てくれて助かったという声がうれしい」という。事務局の市社会福祉協議会、鹿毛智子さん(50)は「自分たちもいつかは助けてもらう立場になる。会の活動がなければ、困っている高齢者がいると思う。住民同士の助け合い活動なので広まってほしい」と話す。

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広まる生活支援活動 高齢者や障害者を手助け 2009/07/09