.

老いと生きる タレント オスマン・サンコンさん(60)

タレントのオスマン・サンコンさん(60)は、平成13年にヘルパー2級を取得し、ボランティアに励んでいる。介護を学んだのは、遠いアフリカにいた母の「遠距離介護」のため。電話や帰省で親を支える遠距離介護には、側にいられない罪悪感や容体把握の難しさなど悩みが多いもの。毎日、電話で母の血圧を確かめた。そんな日々を母との思い出とともに語った。

 僕は年寄りを起こさないで、パジャマをチェンジできますよ。本人の力を利用してね。介護は、力じゃないからね。呼吸なんですよ。相手は人だから、尊敬してね。

 介護を勉強したのは、母のためです。僕は兄弟22人の12番目。お母さんが3人いて、第1夫人の長男です。36年前、大使館をオープンするために日本に来て、その後ワシントンに転勤になって、10年も国に帰らなかった。親不孝をしたのに、お母さんは「国の仕事に必要とされているから行きなさい」と言ってくれた。

 帰国して外務省に勤めた後、また日本ギニア友好協会の広報官として日本へ来ました。お母さんのことはギニアにいる姉たちに任せきりだから、毎年プレゼントを買って帰ります。ギニアにいるのは1〜2週間。お母さんは小さいのに、僕をひざの上に抱っこしてくれました。

 お母さんは息子の足を治せなかったことを、ずっと抱えていました。僕は3級の障害者手帳を持っています。高校2年のとき、サッカーで骨折したのがもとで、右足が不自由です。お母さんは毎晩、僕の足が治るようにと、もんでくれた。その手のぬくもりは今も感じます。

ヘルパーニュースTOP

/

ヘルパー養成講座TOP